文章を書くけど誰にも積極的に見せない場所、というのを持ちたいと思っていた。見られたくないわけではない。ブログを書いたりサイトを作ったりするのはいいが、PV や Like の数を稼いだりといったことにはまったく興味が無い。だったらローカルのテキストファイルかチラシの裏にでも書いておけ、と言われるかもしれないが、積極的に見せたくないだけで公開はしておきたい。あと新聞はとってないので家にチラシはない。

古参ネットっ子としてはむしろ自分が吐き出すデータをネットを出さないことにうっすらと罪の意識すら感じる。それがどんなゴミだろうと、SF 的な視点から見れば未来においては貴重な資料となる。いや、同じように大量のゴミデータがあるのだろうからそれらは同じように発掘されると仮定すれば貴重ではないかもしれないが。

原則公開であるということが自分にとってはとても大事なので、その点において Google+ と Twitter はとても好ましく好きなサービスであり、積極的に使っている。しかし、どちらも人をフォローしてそのポストによって各人のストリームなりタイムラインなりがリアルタイムに形成されるという点においては自分の非露出欲求に反することもある。というわけで Blogger で古き良き Web 日記のようなものを書いたらいいのでは、と思っていてようやく立ち上げたわけだ。

いまいち腰が重かったのはテンプレのいじり方がよくわからなかったから。ほんとに XML として扱ってるのね。ひとまずゴテゴテを取り去ってまっさらにできたからようやく書く気になった。

自分の中で最近、90年代の日本のウェブへの回帰というか憧憬がすごく強まっている。「あの頃は良かった」などと言ってしまうと加齢臭しかしてこなくなるが、Web 日記やテキストサイトと呼ばれたそれらは、良いものだった。舶来の「ブログ」というものに概念としてはほぼ駆逐されてしまったが、精神の根っこにあれを持ち続けている残党のような人はたくさんいると思う。そういう人たちが好きだ。見られることをまったく意識しているわけではないが、オーディエンスに向けて叫んでいるわけでは決してない文章。基本的には自分に向けて書いている文章。語りかける文体も基本的には自分向け。人が書くそういう文章は魅力的だ。私小説のようなものだ。

こういうテキストを書くことに対してずいぶんとブランクがあるので、書けるのだろうか、と思っていたけど書き始めたら書けるもんだな。